東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドの新社長に就任した吉田謙次氏(60)が1日、TDR内のホテルミラコスタ(千葉・浦安市)で初めての記者会見を開いた。6月29日の株主総会で就任が正式決定し、初めての公式会見となった。

現在は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて来場者数を原則5000人以下で営業している。吉田社長は経理部門での業務経験が長かったこともあり「今季はまだ第1Q(四半期)が終わったばかり、今季の黒字を目指す方針は変わりない」と経営再建へ向けて取り組む考えを示した。

単純な入場料の値上げについては否定的で「ワクチン接種での沈静化には期待したい」と話した。

2023年に東京ディズニーシー(TDS)にオープンする8番目のエリア「ファンタジー・スプリングス」の責任統括部長も歴任したこともあり「このエリアはピーターパン、アナと雪の女王、塔の上のラプンツェルの3つ世界を集約して岩で囲まれた今までにない世界観を出している。当社の希望の光と考えています」と言葉に力を込めた。

入社は1984年。大学4年生だった同年5月に開業したばかりの東京ディズニーランドを訪れ、入社する確信を持ったという。

最初に配属されたのはレストランを運営する食堂部だった。質疑応答前には「パーク内でどんな食べ物が好きですか?」と集まった記者に逆質問する気さくな一面を見せ、自分の好きな食べ物については「東京ディズニーシーの和食レストラン『さくら』のとんかつは食べていただきたい。チルド冷蔵した豚肉で、そのおいしさを衣に封じ込めています」とアピールした。