東京都議選(4日投開票)は終盤戦を迎え、中央区(定数1)では激しい選挙戦が繰り広げられている。

現職の西郷歩美氏は昨年末に都民ファーストの会(都民ファ)を離党。日本維新の会に入党も最終的には出馬を見送り、新人4人の戦いとなっている。

都民ファが擁立したのは池辺愛氏(40)。慶大時代に劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」に所属。その後は「ヌーブラ・ヤッホー!」のギャグが話題となったお笑いユニットのモエヤンやFM「NACK5」のパーソナリティーとして活動してきた。

モエヤン解散後の15年、19歳年上の一般男性と結婚した。17年に長女を出産。第2子を望んだものの2度の流産を経験し、昨年8月に第2子となる男児を出産した。妊娠中もパーソナリティーを続けたが、出産前の昨年6月に番組が終了したという。「1度目の出産の時は産休を取り番組に復帰できましたが、2度目は無理でした。同局の歴史の中で産休を取った最初で最後が私」。女性の働き方の継続の困難さなど「社会を変えていかないと少子高齢化の問題も解決できない」と党の公募に応じた。ボランティアに支えられながらの初々しい選挙戦も、選対幹部は「最終日でもいいから小池都知事に入ってほしい」と切実だ。

対して、党を挙げての重量戦を展開しているのが自民の石島秀起氏(61)だ。前回、中央区議7期の実績を引っ提げての出馬だったが、都民ファの風の前に敗れた。捲土(けんど)重来とばかり、組織選挙を展開している。地元東京2区の辻清人衆院議員と同じ派閥の先輩の林芳正元文科相が応援に入ったほか、萩生田光一文科相、丸川珠代五輪相、片山さつき衆院議員ら、有名人が続々。応援演説では「区政、国政にはパイプがあるが、都政にだけ議員がいない」が定番。維新の岸野氏、立憲の松田氏と4人による厳しい戦いが続いている。【竹村章】

 

【東京都議選中央区立候補者】(定員1/立候補者4)

都民 池辺 愛氏(40=元ラジオパーソナリティー)

維新 岸野智康氏(26=一般社団法人代表)

自民 石島秀起氏(61=元中央区議会議員)

立民 松田朝子氏(61=旅行ライター)

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