米大リーグのオールスターに史上初めて投打「二刀流」で出場したエンゼルス大谷翔平(27)の地元岩手県も熱狂した。

14日、大谷が生まれ育った奥州市では、市役所内に設置された大型テレビ前で観戦する市民もいた。先発投手として160キロ超の速球などで3者凡退に封じ、「1番DH」の打者としても2打数無安打ではあったが、前日のホームランダービーも含めて存在感。小沢昌記市長(63)は「結果がどうこうではなく、大谷選手が投打にわたって心の底から楽しんでいる姿を見られたことが、地元の市長として非常にうれしかった」と喜んだ。都市プロモーション課の大越克芳課長補佐も「我々にとって地元のヒーローだったのですが、想像をはるかに超えて、遠い存在になってしまった感じ。職員と冗談で『本当に奥州市の人?』って言い合ったりもしています」と驚きを隠せない様子だ。

奥州市では18年に「大谷翔平選手ふるさと応援団」を結成し、地元企業も協力して街全体で支援。市職員も背番号にちなんで、毎月17日を「大谷応援デー」として赤いエンゼルスTシャツを着て業務を行っている。昨年からは「コロナに負けるな! 二刀流応援デー」に名称変更。二刀流が復活した今季は投手、打者それぞれの「大谷メーター」も庁舎内に設置し、活躍を市民と共有している。

母校の花巻東高でも、スポーツクラスの3年生ら約50人がテレビ中継を観戦。紫と黄色のスティックバルーンを使ってエールを送った。硬式野球部の生徒は全国高校野球選手権岩手大会初戦(今日15日)に向けた練習のため観戦は出来なかったが、恩師の佐々木洋監督(45)は菊池雄星投手(30)と2人同時選出に「最高峰の舞台に花巻東高出身の選手が選ばれたことは、とても誇り」と感謝した。【鎌田直秀】