藤井聡太王位(棋聖=19)が豊島将之叡王(竜王=31)に挑戦する第6期叡王戦5番勝負第1局が25日、東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」で行われた。午前9時から始まった対局は、午後6時11分、95手で藤井が勝ち、タイトル奪取に向けて好スタートを切った。

叡王戦初登場の藤井は、角換わりから1手ごとに細かな読みが問われた。午後4時すぎ前まで進んだのは50手。同5時前、戦機は熟したとばかり先手2三歩成(55手目)と成り込む。いきなり直線勝負の寄せ合いに持ち込み、スルスルと抜け出すと一気に押し切った。これで王位戦第2、第3局に続いて3連勝。こちらの開幕局(6月29、30日)で完敗した時点で1勝7敗だった対戦成績を、4勝7敗まで押し戻した。

王位戦に続き、立場を入れ替えての頂上対決は最大12番に及ぶ。対局を経験していきながら、「形勢判断」「読み」「ペース配分」などの戦略性を高めた。豊島との星を詰め始めたことで苦手意識も克服できた? 第2局は8月3日、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる。