東京都は30日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3300人確認されたと発表した。3日連続の3000人台。前週金曜日と比べると約2000人も増え、過去2番目に多かった。直近7日間の平均は、1日当たり2501・4人。前週比は180・5%に上り、かつてない感染拡大が加速している。また新たに2人が亡くなった。

小池百合子都知事はこの日の定例会見で、現在の状況について「極めて切迫した状態」と表現した。また東京は安全安心といえるのかと問われ「その確保に努めているところ」などと答えた。

東京五輪については「閉塞(へいそく)した状況の中で、スポーツから得られる勇気や感動を与えると同時に、ステイホームにも一役買っている」との認識を示した。政府分科会の尾身茂会長が感染拡大の要因の1つに五輪を挙げたことなどについて、見解を語ったもの。開催が市民の外出の誘引になっているのではないかとの指摘について重ねて問われると「それは分析していただければと思います」と返答していた。

緊急事態宣言の延長で、パラリンピックへの影響も注目される。観客などの判断については「別途行われる。これまでも5者協議などで決めてきた。コロナの状況ということになる。都の感染状況をしっかり抑えていきたい」とした。

感染が急増している若者の行動変容を促す方策については、ゲームチェンジャーはワクチンとした上で、SNSなどの活用を挙げた。情報発信を続けていくほかないという考えかと問われると「そこにつきるわけです。諸外国の例なども参考にしながら、どのような対策が効果的か進めていく必要がある。さまざまな方策を使いながら訴えていきたい」と述べた。

小池氏は会見を通して「デルタ株は手ごわい」「大丈夫ということは、デルタ株については言えない」などと繰り返し強調して都民に危機感の共有を求め、「人ごとではなく自分ごとということで、協力をお願いします」と訴えていた。