菅義偉首相の後継を争う自民党総裁選(17日告示、29日投開票)で7日、河野太郎行革相が週内にも出馬会見を行う方向で最終調整に入った。高市早苗前総務相も出馬の意向を固め、8日に記者会見を行う方針。各陣営が動きを加速させる一方でポスト菅を巡る情勢は流動性を増している。

河野氏は記者会見でツイッターで、意見の合わない相手の投稿をブロックする対応をネット上で批判されている点について「ブロックするのは問題ない」と真っ向から反論した。「通りすがりの人を罵倒するようなことが起きている」と訴えた。

河野氏はSNS(会員制交流サイト)を駆使し、ツイッターのフォロワー数は国会議員では最多の236万8000人以上。この日午前のツイッターのトレンド上位に「#河野さんにブロックされています」が躍り出た。河野氏は「ブロックされても、私のツイートを見ることはできる」と指摘した。

河野氏はマスコミ各社の世論調査でも、次期総理に期待する政治家のトップに挙げられている。選挙基盤が盤石ではない若手議員を中心に次期衆院選の新しい顔として期待感は高まる。出馬を探る石破茂元幹事長の石破派から平将明衆院議員ら複数人が「河野支持」を表明。派閥を横断して河野支持に回る動きが広がり、逆に石破氏は不出馬の可能性が増している。

だが河野氏の言動を危ぶむ声も根強い。昨年6月、防衛相時代には陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画停止を唐突に表明し、党内から批判が相次いだ。河野氏は批判報道に対し、米トランプ前大統領ばりの「フェイクニュースだ」と投稿して波紋を広げた。所属する麻生派(53人)の全面的な支持は得られておらず、情勢は見通せない。【大上悟】