将棋の豊島将之叡王(竜王=31)に藤井聡太2冠(棋聖・王位=19)が挑戦する叡王戦5番勝負第5局が13日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われ、後手の豊島が111手で敗れ、叡王初防衛を果たせなかった。豊島は竜王の1冠に後退した。

戦型は相掛かり。両者の対戦では、4局続けて相掛かりの登場となった。序盤、中盤と互角の展開が続いたが、終盤に入り、リードを広げられた豊島は「途中までけっこう難しかった。8四銀と引かされる展開になったので、苦しいなと」と振り返った。叡王戦5番勝負について「苦しい将棋が多かった印象です」と話した。

叡王戦5番勝負と同時進行となる王位戦7番勝負では1勝4敗で敗れ、藤井が初防衛。叡王戦では藤井が王手をかけてい第4局を豊島が意地の快勝。2勝2敗のタイで最終局に決着を持ち越していた。

王位、棋聖の「真夏の12番勝負」で10局行われ、藤井の7勝3敗(王位戦4勝1敗、叡王戦3勝2敗)。豊島は藤井に公式戦の初対局から6連勝したが、これで通算の対戦成績は9勝8敗と押し戻された。

叡王初防衛は果たせなかったが「強い棋士と指して、課題がたくさん見えてきた。勉強になった1局だった」と前を向いた。

10月8日に開幕する第34期竜王戦7番勝負で豊島は初防衛をかけ、藤井と対戦する。豊島は「短期間で修正して、1カ月準備をして頑張りたい」と巻き返しを誓った。