発明家のドクター・中松氏(本名・中松義郎=93)が17日夜、都内で数え94歳記者会見を開き、会見後、日刊スポーツの単独取材に応じた。中松氏は同日、告示された自民党総裁選(29日投開票)について、立候補した河野太郎行革相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4氏について「全員、全くダメ」と一刀両断した。

中松氏は、4氏を「例えば、財界にしっぽを振ったりとか、弱者や中間層を助けますとか、何かにおもねっているというか…国民におべっかを使っている」と評した。安倍晋三前首相(66)の後を継いだ、菅義偉首相(72)についても「選ばれたわけじゃなく(政権は)なれ合いで出来ている。能力がない人が選ばれている」とバッサリ切り捨てた。

その上で、1991年(平3)、99年、03年、07年、11年、12年、14年と7回、出馬した都知事選の際、公約に無給を掲げたことを強調。「僕の場合、まず給料はいりませんと、最初から言っているわけだよ。利権でお金を集めたりとか、政治的にダーティーな発想をする政治家とは違う。本当の政治家というのは、誰に反対されても、自分の収入なんていらないから国民、国を守るって言える、孤高の存在」と訴えた。そして「コロナからだって絶対に守るよと言える、意気込みのある人が欲しいんだね。国家を担う総理でしょうと。どうやって国民を守るのか、国際的に日本がどうやっていくか、という視野を全然、言っていない。考えが小さい」と批判した。

その上で「無欲で、高潔で、頭が優秀で、もちろん実行力がある…そういう人が必要」と理想の首相像を語った。そして「企業の税金を減らすとか、小さいことしかやっていない。総理は1人しかいないんだから。4人の今までの発言を聞いている限り、つわものだらけの世界を見て、やってくれると思える人は今のところ、いないね」と失望感をにじませた。