大阪府の吉村洋文知事(46)は22日、府庁で定例会見を行い、30日までが期限の緊急事態宣言について「今週末まで、遅くとも週明けには方向性を判断したい」と述べた。

宣言の解除は政府が決定するが「自治体がどう考えているのかは国の判断材料になると思う」とした。

仮に解除となった場合の「まん延防止等重点措置」などの適用を要請するかについて「いまの段階では確定していることはない」とした。

大阪府では22日、新たに591人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。前週の同じ曜日の感染者数は1160人。1週間でほぼ半減している。

急激な減少傾向に吉村知事は「いくつかの複合的な要素が重なっていると思う」と述べ、以下の3点を挙げた。

<1>夏休みが終わり、移動の機会が減ることで、感染が減少

<2>ワクチンの効果

<3>東京五輪後、多くのメディアが東京近郊での医療体制の逼迫(ひっぱく)を報道したことで、デルタ株の脅威が認識され、1人1人が感染対策を強化した

<1>~<3>がつながり、感染が急激に減少したと指摘したが、もう1つの複合的要因として「ここからは僕の推測」とし上で、「ウイルス側の事情もあるのかなと思う」と持論を展開した。 「この新型コロナウイルスは増えるときには、何らかの理由でグッと増える。ただ指数関数的に増え続けるのではなく、どっかの頂上になったときに同じように下がっていく」

今回の急激な減少について<1>~<3>だけの要因だけで「説明できるんですかと言われると、ここまで下がってきている説明になるのかな?」と首をかしげ、「ひょっとしたらこのウイルスは増えるときは増えるけど、減るときは人の行動と接触は関係するけど、何らかの“ウイルス側の事情”によって、力をなくすとかいうか、広がりが止まることもありうるのかなと推測しています」と力説した。

一方で「ウイルス側の事情」説だけが1人歩きすることで、感染対策がおろそかになる危険性も認識した上で、急激な減少について「専門家に分析してほしい」と要望した。