京都府警は18日、人工知能(AI)を使用してアダルトビデオ(AV)のモザイク部分を加工し、無修正かのように見える動画を作ってインターネット上に公開したとして、著作権法違反とわいせつ電磁的記録陳列の疑いで、兵庫県高砂市、自営業中本正幸容疑者(43)を逮捕した。

容疑は1月にモザイク部分を編集した動画を製作し、自身のサイトに見本の画像を公開した疑い。府警のサイバーパトロールで発覚し、同容疑者は「間違いない」と容疑を認めている。

捜査関係者によると、中本容疑者は不鮮明な画像を補完して解像度を上げるAI技術「TecoGAN」を活用した動画編集ソフトを使い、AVを加工した動画を販売。加工技術について、同関係者は「除去するのではなく(AIに)モザイクがかかった部分を学習させて、モザイクを取った先のものを動画として精製させた」と説明。男女の絡みのシーンが遠目の場合は映像が若干、ちらつくものの、アップの際は「男性器、女性器が、はっきり見える。ほぼ、そのものをAIで精製するので結果的に、無修正のような動画が出来上がる」と語った。

加工されたAVについて、捜査関係者は「正規で売られており、無修正で見たいニーズがあるようなもの」と説明しており、人気女優の出演作が含まれるとみられる。中本容疑者は昨年12月から8月ごろまでに1万1888件の動画を販売し、計約1100万円を売り上げたとみられている。【村上幸将】