菅義偉前首相(72)が地元・神奈川2区の3カ所で出陣式を行い、コロナ対策など1年の短命に終わった政権の成果を列挙し、支持を訴えた。同年代を中心に多数の支援者が集まった地元で、菅氏は強気だった。

「コロナ対策の切り札はワクチンだと確信し、1人でも多く、1日も早く接種してもらう対策を責任を持ってやろうと決断した。1日100万回接種を行うと断言してしまい、批判されたが予想より早くできた」

「国も地方もバラバラなシステムを統一する役所もなくデジタル庁も1年で発足。奇跡に近いと思う」

この日は、真理子夫人(67)もあいさつしたが、菅氏は夫人を引き合いに、官房長官時代から執念を見せた携帯電話料金の引き下げの成果も強調。「携帯を替えたら、かなり安くなる。家内も替えて8000いくらが3000円くらいになった」と笑みを浮かべた。

東京五輪、パラリンピックについても「いろいろなご意見があったが、招致した国の責任として安全性を確認した上で決めた」と強調。「終わった後に多くの方からお礼を言われたことも、初めて披露させて頂きます」と胸を張った。

有権者にグータッチで支援を訴える中、TBS系「news23」(月~木曜午後11時、金曜午後11時30分)メインキャスターの小川彩佳(36)アナウンサーの直撃取材も受けた。「もう少し総理を続けたかった思いは」と聞かれると「いや、ないです」と即答した。

野党が統一候補として立憲民主党の岡本英子氏(57)を立てたことには「9回目の選挙で、今回ほど危機感を持っていることはない」と口にした。その上で同日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を引き合いに、立憲民主党と共産党は「安全保障政策がない」と批判した。

一方、岡本氏は横浜市内で出陣式を行った。応援には菅氏を長年応援してきたがカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致などを巡って対立した「ハマのドン」こと横浜港ハーバーリゾート協会の藤木幸夫会長(91)が駆けつけた。横浜生まれ、育ちの岡本氏の力強い味方になりそうだ。【村上幸将】