トランプ前米大統領が20日、独自のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル(TRUTH Social)」を立ち上げる計画を発表した。トランプ氏は今年1月6日に首都ワシントンDCで起きた連邦議会議事堂襲撃事件を受けてツイッターやフェイスブックなど主要プラットフォームのアカウントを停止され、新規投稿を禁じられている。これらIT大手に対抗するため、以前から独自のソーシャルメディアの立ち上げを計画していると伝えられていた。招待制のベータ版を来月に立ち上げ、来年の第1四半期に一般の利用が開始される予定だという。

また、トゥルース・ソーシャルを運営するトランプ・メディア&テクノロジー・グループ(TMTG)は、ネットフリックスなど動画配信サービス大手にも対抗すべく定額制の動画配信サービス「TMTG+」も立ち上げ、エンターテインメント番組などを配信する計画であることも明かした。TMTG+で配信される番組は、人種差別や社会正義など社会問題への高い意識「ウォーク」を持たない内容になるといい、独自のニュース番組などと共にボクシングや相撲なども配信される予定だとオンラインメディアの記者は伝えている。

ツイッターなどのアカウント停止を不服とし、アカウント凍結の解除を求める訴訟も起こしているトランプ氏は声明で、「私は巨大IT企業の暴政に立ち向かうため、トゥルース・ソーシャルとTMTGを立ち上げる。タリバンがツイッターで大きな存在感を示しているのに、あなた方が大好きな大統領は沈黙を強いられている。これは受け入れがたいことだ。TMTGはすべての人に発言権を与えることを使命として設立された。もうすぐ私の考えをトゥルース・ソーシャルで共有し、巨大IT企業と戦うことに興奮している」とコメント。トゥルース・ソーシャルで最初のトゥルース(真実)を発信するのを楽しみにしていると述べている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)