衆院選で初めて候補者調整を行い、全体の7割を超す210以上の選挙区で一本化した野党共闘の中心、立憲民主党は公示前の109から議席を大きく伸ばすことはできなかった。出口調査などを基にした各社の予測によると、110議席は確保したものの、130議席までは届かない見通しだ。

長妻昭副代表は速報が流れると、「今回の選挙ほど、予測が難しいのは経験したことがない。全国を見てみると、多くのところで接戦区となっている」と分析。東京8区で吉田晴美氏が石原伸晃氏を破り、当選確実が出ると「決して自民党は強くない。一騎打ちに構図に持って行けば、一定の成果が出るんじゃないかと期待をしている」と話した。

枝野幸男代表は「隠す、ごまかす、改ざんする。こんないいかげんなことが続かない、まっとうな政治へ一緒に変えよう」と訴えてきた。「潤ったのは一握りの人だけ」とアベノミクスを批判し、「多くの皆さんが豊かさを実感できる1億総中流といわれた社会を取り戻す」と叫んだが、自民党からは「立憲共産党」と攻撃された。

枝野代表は公示前、政権交代の可能性について「(エンゼルス)大谷翔平の打率くらい」(2割5分7厘)と話していた。選挙戦最終日には「イチロー選手のいいときの打率くらい」(3割7分2厘)と軌道修正したが、結果は政権交代とは程遠く、与野党伯仲の政治状況もつくれなかった。