中国の有名女子プロテニス選手、彭帥(ポン・シュアイ、35)が、中国の張高麗前副首相(75)と不倫関係にあったと告白し消息不明になっていた問題で、彭が21日、北京市で行われたジュニアのテニス大会に来賓として出席したとする写真や動画が公表された。大会主催者は短文投稿サイトの公式アカウントで写真を公開。中国共産党機関紙系の環球時報の胡錫進編集長も、開会式で紹介された彭が手を振る様子の動画をツイッターに投稿した。

同編集長はその前に「彭がレストランでコーチや友人と夕食をとった」「土曜日に撮影された」とする動画2本も投稿。彭が数人と食事しながら時に笑顔で話を聞いている様子で、同席者が「明日は11月21日」と日付に触れる部分もある。しかし、彭が今どんな状態にあるのかなどは依然不明。女子テニス協会(WTA)は食事の動画について「彼女が自由かは不明」「この動画だけでは不十分」などと表明した。この時点で、本人からと確認された現状についての説明、発信、肉声などはない。

中国当局や前副首相が沈黙する中、国営メディアなどは彭が書いたとするメールなどを公表したが、信ぴょう性が疑問視された。国際社会では、WTAや選手たち、国連人権高等弁務官事務所、米政府などで安全を懸念し、調査を求める声が強まっている。来年の北京冬季五輪について外交ボイコットの動きもあり、中国側が国際社会の疑念を打ち消そうと、写真や動画を公開し始めたとみられる。