国内で確認された新型コロナウイルス感染者が25日、6万人を超えて過去最多を更新した。東京の新規感染者数は1万2813人で、大阪も8612人と過去最多を更新する都道府県が相次いだ。死者は大阪で10人、北海道と愛知で各4人など42人が報告され、重症者は前日から5人増えて444人と、感染拡大が止まらない。

政府は同日、まん延防止等重点措置を18道府県に追加適用することを正式決定。期限はいずれも27日から2月20日まで。9日から適用中の沖縄、広島、山口3県も今月31日までの期限を2月20日まで延長される。また21日から適用されている首都圏など13都県は2月13日までの期限を維持する。

適用地域が計34都道府県に急拡大する中で、専門家の間でも意見は割れた。尾身茂会長は「基本的対処方針をオミクロン株の特徴に合わせて変えた方がいいんじゃないかという議論も出た。一方、オミクロン株は、また変わる(変異)から」などと異論が交わされたことを明らかにした。

政府は医療体制を維持するために、若年層で重症化リスクが低い感染者は、医療機関を受診しなくても自宅療養の開始を認める方針を示した。この方針転換に尾身会長は「しっかり議論すべきだという声は出た。若い人で基礎疾患のない人でも重症化する可能性はある。だからこそ、医療がひっ迫しても検査がひっ迫しても1人1人ケアをするのが医療の根本ではないのか」などと反論の声が上がり、すんなりと承認に至ったわけではないことを示した。

松野博一官房長官は、自治体が緊急事態宣言を要請した場合の対応について「強度の私権制限を伴うもので、慎重な検討が必要だ」としたが、尾身氏は「医療ひっ迫した、その時にやっても遅い。今回は勝負が早いと思う。なるべく早く短期間に(対策を)打つ、ということもありうる」と指摘した。事態は悪化の一途をたどっている。【大上悟】