立憲民主党の辻元清美元衆院議員(61)が1月31日、地元の大阪府高槻市で支援者集会を開き、今夏の参院選に比例代表として出馬する意向を表明した。「全国のみなさんのご用聞きになり、日本中の『もう黙ってられへん』の声を集め、国政に届けたい」と決意を語った。出馬を後押しした地元からの激励の言葉を思い出し、涙をこぼす場面もあった。

議席を失ってからちょうど3カ月。歴代の首相11人と論戦を繰り広げてきた“辻元節”は健在だった。衆院から参院に鞍替えして立候補する理由として「自民党や公明党、日本維新の会が多数を取れば、小さな声、異論を切り捨てる政治になってしまうのではないか」と強調し、「参院選が日本の分かれ道になる。私はそれを阻止するために戦っていきたい」と国政復帰へ意欲をたぎらせた。

辻元氏は昨年10月の衆院選に大阪10区から出馬したが、日本維新の会新人に敗れ、比例復活もできなかった。衆院議員を7期務め、党副代表などを歴任する中で、おごりと過信はなかったか。原点を見つめ直すため、地元の街を歩き、多くの人と対話を重ねてきたという。「あんた、負けてもへこたれてたらアカンで」。「早く国会に戻ってほしい」。決意表明では、支援者からのエールを思い出し「本当にありがたい…」と何度も涙をぬぐった。

「1回落ちたやないかと、厚かましいんちゃうかとも思ったんです、でも、やっぱり黙ってられへん」。集会後には、東京の党本部で泉健太代表と面会し、公認申請書を提出した。【松浦隆司】

◆辻元清美(つじもと・きよみ)1960年(昭35)4月28日、奈良県生まれ。早大在学中に国際的な市民交流を目的としたNGO「ピースボート」を設立。96年、社民党から衆院初当選。当選7回。党内有数のリベラル系論客。国会論戦で小泉純一郎元首相に迫った「ソーリ、ソーリ」のフレーズは代名詞。立憲民主党が結党した17年から2年間、女性初となる野党第1党の国対委員長を務め、党副代表などを歴任した。