6月の住民帰還に向けて準備宿泊が行われている福島県双葉町は震度6弱の揺れに見舞われた。福島第1原発事故後、全町避難が続いているため、町内に役場はないが、町は双葉駅の旧駅舎に避難所を開設。委託しているパトロール事業者が町内を巡回し、安否確認と避難要請をした。

妻、愛犬2匹と準備宿泊中の元競輪選手・谷津田陽一さん(70)宅には午前0時過ぎと午前1時半ごろの2回、「大丈夫ですか。避難しませんか」と委託業者が訪ねてきた。玄関に飾っていた虎の置物と棚に置いていた時計が落ちて割れた程度だったため、「犬もいますので」と断り、自宅にとどまった。町によると、2人が避難したという。

谷津田さんは17日、以前住んでいた相馬市で断水が続いていると聞き、水を購入して手伝いに入った。「瓦が落ちたり、損壊している家が結構あります。被害は震源地に近い相馬の方が大きい」と話していた。