今夏の参院東京選挙区(改選数6)は、「女たちの首都決戦」の構図がほぼ固まった。13日、日本維新の会は新人で大阪市議の海老沢由紀氏(48)の擁立を正式発表し、会見を行った。これで参院選屈指の激戦区で主な政党の公認(推薦)候補予定者が出そろった。主要政党から現在、現職と新人合わせて5人の有力立候補予定者が、真夏の戦いを繰り広げそうだ。

元プロスノーボーダーの海老沢氏は大阪市内に在住しているが、夫と4人の子どもは都内に在住している。結婚と出産、離婚、再婚を経験。子育て中の経験から「教育費、子育てへの支援をしっかりと訴えていきたい」とした。

海老沢氏は2012年に、日本維新の会の創設者である橋下徹氏が塾長を務める維新政治塾の1期生で、同年の衆院選に出馬(落選)。13年、17年には東京都議選に立候補(落選)しているが、知名度は高くない。日本維新の会は東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫を最重点選挙としている。馬場伸幸共同代表は昨年10月の衆院選東京ブロックで約85万8000の比例票を獲得していることから「今回の参院選に当てはめれば、当選圏内に入るだろう」としたが、厳しい戦いが予想される。

現在、女性候補予定者は立憲民主党の蓮舫前代表代行、公明党の竹谷とし子氏の両現職に、アイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーで新人の生稲晃子氏、そして小池百合子東京都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が国政政党を目指すために設立した「ファーストの会」代表の荒木千陽氏(国民民主党推薦)、トランスジェンダーで新宿区議の依田花蓮氏らが名乗りをあげている。

中でも蓮舫氏は前回2016年に約112万3000票を獲得して次位に約23万票以上の大差をつける圧勝で3選を果たしている。新人の生稲氏は元「おニャン子」たちの同窓会応援が注目され、小池都知事の全面支援を受ける荒木氏についても「小池さんの人気は健在。競合するのは間違いない」と柳ケ瀬裕文東京維新の会代表も警戒感をあらわにする。参院選は6月22日公示、7月10日投開票が有力。前回16年は31人の候補者が乱立した首都決戦は6議席を巡って女性候補がしのぎを削ることになる。【大上悟】

◆参院東京選挙区 東京全域が選挙区で改選数6。蓮舫(立民)、中川雅治(自民)、竹谷とし子(公明)、山添拓(共産)、朝日健太郎(自民)、小川敏夫(立民)の現職6氏が改選となるが中川氏と小川氏が引退を表明し、立民は松尾明弘氏、自民は生稲晃子氏を新たに擁立した。参議院議員の任期は6年(衆院議員4年)で3年ごとに半数が改選され、今回は2016年(平28)の第24回通常選挙当選者が改選される。