北海道・知床半島の沖合で観光船「KAZU I(カズワン)」が消息不明となってから一夜明けた24日、斉藤鉄夫国土交通相が現地を訪れ、対策本部を設置した。

▽水中での調査や工事に関する潜水作業の業務に従事する「朝日海洋開発」代表取締役で、水難学会副会長の安倍淳氏 体温35度以下が続いてしまえば、偶発性低体温症になってしまいます。夏の沖縄周辺であっても海水に継続的につかっていれば体温が時間の経過とともに奪われて、体力も失っていきます。救命胴衣を船が搭載しているから大丈夫ということではない。北海道の冷たい海に10分も投げ出されれば、救命胴衣を着用していても浮いているだけのことでしかない。

寒冷域などを航行する大型船舶の搭載する、体全体をおおうことができて体温を保持できるイマーションスーツや救命イカダのようなものがあったならば事態は変わったと思われます。

「船首が30度ほど傾いている」という無線報告があったとのことです。いずれかに30度傾いた状態では、前の座席をしっかりつかんでいないと、乗客は座ったままの状態でいるのも難しく、自由に移動することもできなかったと思います。

当時、事故の起きた斜里町の海の様子は波の高さ3メートルで強風注意報と波浪注意報が出されており、完全に荒れている部類に入っていたと思います。遊覧船の運行に関して運営会社がどのように判断したかは分かりませんが、現場の船長が危険だから出船できないとの断固たる決断を重視できる状態だったのかどうかが気になります。