ウクライナ国務省情報総局のトップ、キリロ・ブダノフ准将が、ロシアとの戦争を終わらせる唯一の方法はロシアのプーチン大統領の死であると地元メディアに語ったと、米オンラインメディアのデイリービーストが報じた。プーチン大統領に逃げ道を残すことは戦略の1つだが、それはほとんど非現実的だと語り、プーチン大統領が生きたまま戦争を終わらせるのは困難との見方を示したという。「彼は全世界から戦争犯罪者に指定されている。彼はこれで終わりだ。自分自身で袋小路に入り込んでしまった」と語り、暗殺計画やクーデターが起こる可能性があるのかなど詳細には触れていないものの「ウクライナが勝利する」と宣言したと伝えている。

3月末にウクライナの隣国ポーランドを訪れたバイデン米大統領は、「プーチン大統領は権力の座にとどまってはならない」と発言し、記者団から体制の転換を求めたのかと質問されるなど波紋を広げていた。また、先日ウクライナを訪問した米国のブリンケン国務長官は、プーチン大統領が権力を維持するかどうか決めるのはロシア国民次第だとの考えを示唆したことが伝えられている。

ブダノフ准将は、ロシアの将来についてもいくつかの国に分割されるか新たな指導者が誕生するかのいずれかの選択になるだろうと語っており、当初ロシアが「勝利宣言」するとみられていた9日の対独戦勝記念日を前に目標とする戦果達成が困難となっている中での発言だけにその真意が注目されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)