新型コロナウイルスの今後の感染症対策について、政府対策分科会の尾身茂会長(73)ら専門家有志は2日、感染者の全数把握の見直し、診療する医療機関の拡大などの対策緩和を2段階で進める必要があるとの提言を発表した。法改正による抜本的な対策見直しも視野に、医療の逼迫(ひっぱく)を抑えつつ、社会経済活動を続けられる体制を目指す。

第7波ではかつてないほど感染者が急増。医療機関や保健所を通じた全数把握や、医療機関による診療体制が立ちゆかなくなっている。ただ、重症化リスクは低く、自治体などから医療現場や保健所の負荷を減らす仕組みを求める声が出ていた。

提言では、1人1人の自主的な感染対策を重視する。感染症法上の分類を変えずに個別の対策を緩和する「ステップ1」、将来の法改正による見直しを想定した「ステップ2」に段階を分けた。見直しは、「医療対応」「保健所・行政対応」「感染状況の把握」など5項目。尾身会長は、「これを政府がどのように活用するか」と話した。【赤塚辰浩】