世界的ブランド「ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)」で知られる、ファッションデザイナーの三宅一生さんが8月5日に、肝細胞がんで死去した。84歳。同社が9日、明らかにした。

三宅さんは令和元年度の東京都の名誉都民に、赤松良子元文相(92)、劇画家のさいとう・たかをさんとともに選ばれ、2019年10月1日、東京都庁で行われた顕彰式に出席した。その後、報道陣のインタビューに応じ、服づくりに関して、これからも挑戦を続けたいと強い意欲を口にしていた。当時のおもな一問一答は以下の通り。

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-選ばれた感想

三宅さん 僕は人からおほめをいただいても、まだまだと思っている。(ほめ言葉を)1度も実感を持ってもって受け止めたことはありません。これから頑張ります。

-発想の原動力は

三宅さん 僕はブルジョアのために服をつくりたいと思ったことはありません。何か、今までにないもので、気安く、値段も高くなく、日常生活に入っているものを目指そうと決めた。ヨーロッパに長く住んでいた。ヨーロッパのものは、パッケージみたいに身体を(服に)入れればいいが、もっと自由にしようかなということで、現在に至っています。

最近はリサイクルものを使っているが、あらゆる素材に挑戦したい。洗濯も楽で、しわにならない、しわになっても面白い服が、今の服ではないかと思っている。今は、そういうことに挑戦している。

-新しい挑戦について

三宅さん 僕は(ファッションについて)あまりモードという考えをせず、『衣服』という考えでとらえている。長く着てもらいたいという思いが、いちばん。人間は知恵があるので、自分の体や生活を知っている。そこで工夫をしてくれるような服をつくりたくて、そのために研究や開発をしているのが現状です。

-顕彰式で、小池百合子都知事が「イッセイミヤケ」のドレスを着ていた

三宅さん たくさん(自身がデザインした服を)持っておられると思うが、あそこまで着こなす方は珍しい。本当に感謝しています。【中山知子】