任期満了に伴う宮崎県知事選(12月8日告示、同25日投開票)に出馬を表明した前知事東国原英夫氏(64)は20日、推薦願を出していた自民党宮崎県連からの“吉報”は届かなかった。

同県連はこの日、選挙対策委員会で4選を目指して立候補する現職河野俊嗣氏(57)の推薦を全会一致で決めた。東国原氏を推す意見は出なかった。自民党は多選を避けるため党本部推薦を3選までに限っていることもあり県連推薦にとどめる。

星原透県連会長(75)は東国原氏を推さなかったことについて「あれだけの負託を受けたのに1期で辞めて都知事選に出た」と12年前に2期目続投しなかったことを理由にあげ、さらに「現職とは信頼関係がある。比較の対象にならない」と述べた。

東国原氏の陣営では冷静に受け止めており「自民党県議の中には東国原を推す声も複数あったが、県連が全会一致という形をとりたかった事情もあって足並みをそろえたらしい」と話し、自民党と同時の17日、公明党にも推薦願を提出しており「立民も維新も共産にも推薦願は出す予定です。県民一丸になって県政に取り組む強い意志は変わりない」と語った。

河野氏が勝利した過去3回の投票率は2010年が40・82%、14年が44・74%委、18年は33・9%と低調だった。また、別の東国原氏の側近は「東国原が当選した07年は64・85%。この3カ月の準備期間でどれだけ多くの県民のみなさんに投票していただけるかがカギだと思います」と県民への訴えに比重を置く戦略に徹底しそうだ。【寺沢卓】