埼玉県戸田市議を務め、都知事選や戸田市長選にも出馬してきた歌手の「スーパークレイジー君」(36=本名西本誠)が、任期満了に伴う宮崎県知事選(12月8日告示、25日投開票)に立候補する意向を固めたことが1日、分かった。近日中にも正式に立候補を公表する予定だ。

公職選挙法違反で今年3月に市議が当選無効となった戸田市から、拠点を出身地の宮崎県に移して来年4月改選の宮崎市議選出馬も検討していたが、「知事選に東国原(英夫)さんや横峯(良郎)さんが立候補することになりましたが、若い人が立候補していない。以前から『選挙に行こう』と言ってきたのですが、4年前(の知事選)は過去最低の投票率だったので、投票率が上がれば良いと思った」と出馬理由を明かした。

18年の前回選挙は投票率33・9%で前々回の56・8%を大幅に下回っただけに、若年層の政治関心や投票率向上が狙いの1つだ。「東京や戸田のイメージがあって、自分が宮崎市出身だということを知らない人もまだまだ多い」と、今後の知名度アップも期待する。「子どもの医療費無料化などを進めていきたいと思っています」。家族の宮崎への引っ越しを来週中にも行い、本格稼働となりそうだ。

同県知事選には自民党推薦で4期目を目指す現職の河野俊嗣氏(58)に加え、返り咲きに挑むタレント東国原英夫氏(65)、女子プロゴルファー横峯さくらの父親で元参院議員の横峯良郎氏(62)らも出馬する意思を表明している。

◆スーパークレイジー君。本名・西本誠(にしもと・まこと)。1986年(昭61)8月14日生まれ、宮崎市出身。20年6月の都知事選に立候補も「スーパークレイジー君」の通称が認められず、政治団体「スーパークレイジー君党」党首として本名で出馬。「百合子か、俺か」のテーマ曲を発表して白い特攻服姿でダンスを踊りながら街頭演説したが、22人中10番目の1万1887票で落選。21年1月の戸田市議選では通称が認められ36人中25番目の912票で初当選。議員としても通称使用が認可。21年4月に戸田市選管が公職選挙法に定めた選挙区内での3カ月以上の居住実態を満たしていないとして当選無効を決定。本人は裁決取り消しを求めたが22年3月に最高裁が上告を棄却して当選無効が最終決定。22年3月には戸田市長に出馬したが現職に大差で落選。同4月には日大通信教育部法学部政治経済学科に入学し、現在も通学中。