共産党の小池晃書記局長は14日の記者会見で、今月5日の党会合で、田村智子政策委員長を不当に叱責(しっせき)したとして「私の行動はパワーハラスメントそのものだったと言わざるを得ない」と自身のパワハラを認め、謝罪した。「大変まずい対応。深く反省した」とも述べた。共産党はこの日の常任幹部会で、小池氏を党規約に基づく「警告処分」とした。

小池氏によると、党書記局長が警告処分を受けるのは初めて。「当然の処分。受け入れて全力で職務に当たりたい」と述べ、辞任はしない考えを示した。

小池氏が会見で説明したところによると、5日に行われた党地方議員・候補者会議では、田村氏が司会を務め、小池氏は会議の進行に従って報告する立場だった。その際、小池氏が地方議員の名前を間違って読み上げ、間違いだという指摘もあったことから、司会の田村氏が訂正したが、その際、小池氏は田村氏に近づき「間違っていない。訂正する必要はない」と、厳しい調子で指摘したという。

小池氏に叱責された田村氏は「(小池氏の発言は)間違っていませんでした」と再び訂正したが、実際は原稿に記された名前が間違っており、小池氏はそれをそのまま読み上げていたため「これは私が明らかに間違えた。田村さんは正しく指摘をした」(小池氏)状態だった。

小池氏は「私の今回の対応は、パワーハラスメントそのものだったと言わざるを得ない。あってはならないことだったと率直に申し上げる。私自身の品性の上での弱点が現れた」と、釈明。当日、田村氏は先に帰ったとして、次に顔を合わせた2日後の7日に謝罪し、田村氏からは「分かりました」という反応があったことも明かした。

この時の様子はその後、SNSなどで動画が拡散され、「パワハラではないか」との批判が、党に寄せられていたという。小池氏は、この日まで謝罪などの表明が遅れたことについて問われ「自ら、ただすことができなかった。批判が寄せられ、パワハラの認識に至った。そこも反省点だ」と述べ、自身の対応の遅れも認めた。

共産党の体質ではないかとの問いには「共産党の体質ではなく、私自身の重大な弱点」と強調。「2度と再び繰り返さないためには、深刻な反省と自己改革が必要。肝に銘じている」とも述べた。

一方、共産党の志位和夫委員長も会見し、小池氏の言動について「ハラスメントの根絶が大方針の党として、あってはならない言動だ。責任を痛感している」と述べ、陳謝した。

小池氏は2016年4月から、党ナンバー2である書記局長を務めている。