今夏の参院選比例代表で初当選した日本維新の会の中条きよし参院議員(76)が、15日の参院文教科学委員会で質問に立った際、歌手である自身の新曲の曲名を述べたり、年末のディナーショーについて告知、宣伝する場面があった。

中条氏は、25分間にわたった質問の最後、締めのあいさつをする中で「私の新曲が9月7日に出ております。昭和のにおいのする『カサブランカ浪漫』という曲で、ぜひ、お聞きになりたい方がいたらお買い上げください」と発言した。

さらに「12月28日に、芸能界最後のラストディナーショーをやります。76年間、一国民として頑張って参りました。これからは違うステージで頑張りたいと思います」などと述べた。

この発言に、委員会室ではぱらぱらと拍手が起きたが、出席議員から「不適切な発言」との指摘が寄せられ、自民党の高橋克法委員長が「不穏当な言葉があったという指摘があった」と説明。その後、与野党が協議し、今後、発言の削除や修正を中条氏に求める方針となった。

中条氏はヒット曲「うそ」で知られ、俳優として時代劇「新・必殺仕事人」に出演。この日は9日の初質問に続き、議員になって2度目の質問で、困窮する俳優らへの国の支援に関して質問した。その中で、歌手になって今年で54年になることや、これまで53枚のシングルを発売したことなど、自身の芸能人としての歩みを語る場面もあった。

維新の音喜多駿政調会長は国会内で記者団に「詳細は承知していないが、状況を確認して真摯(しんし)に対応したい」と述べた。