90歳がマイケルを踊る。19日、東京・浅草木馬亭のステージにプロダンサーとして立つ。マイケル・ジャクソンの名曲「ビリージーン」を披露し、コントにも挑戦。満員150人の前で夢をかなえる。

32年(昭7)に網走で生まれ、49歳までは札幌市内の中学校で社会科教師を務めた。退職後、美顔器などを販売する会社の代理店を経営。周囲から「ケンジさん」と慕われ、今も北海道内の代理店を統括する立場で、全国を飛び回る。

そんなケンジさんが、プロダンサーを志したのは、78歳の時だった。09年6月に「キング・オブ・ポップ」と呼ばれたマイケルが逝去。テレビで頻繁に流された「ビリージーン」の映像を見て「これだ!」とひらめいた。すぐに知人の紹介でプロダンスインストラクターのHIRAKU氏(53)に師事し、ムーンウォークなども含め、ダンスレッスンを重ねてきた。

落語好きで、東京出張のたびに通った浅草の演芸場、木馬亭と、約1年ほど前から出演交渉を開始。リハーサルを経て、デビュー公演にこぎつけた。当日は重要無形文化財保持者で、歌舞伎長唄三味線方の杵屋榮七郎氏ら、豪華メンバーがバックを固める。

すでにチケットは完売、全国からファンが駆けつける予定だ。公演の様子はドキュメンタリーとして、動画収録も行われる。「見てくれた方に『面白かった』と言ってもらえたらうれしい。いつかは北海道でもお見せしたいですね」。地元公演も今から楽しみだ。【中島洋尚】

◆小笠原健二(おがさわら・けんじ)1932年(昭7)4月24日、網走市生まれ。網走南ケ丘高ではバスケットボール部で、駐留軍に指導を受けたことがある。北海学園大を卒業し、札幌中、札幌平岸中、札幌伏見中、札幌月寒中、札幌澄川中などで社会科教諭。趣味は落語、スキー、ゴルフ、スキューバダイビング。家族は妻。