東京都の小池百合子知事は13日の定例会見で、18歳以下の子どもに1人当たり月5000円を給付するなど都独自の少子化対策事業を進めることを決めたことについて、「国に先駆けたのか」と問われて「そうではない。国が遅いだけの話です」と述べ、国の対応の遅さを指摘した。

岸田文雄首相が表明した「異次元の少子化対策」を念頭に、「国の方も取り組むと言っているが、スピード感をもって、国民に『刺さる』政策を掲げ、すみやかに実行することが必要と考えている」とも述べ、岸田首相の取り組みにも注文をつけた。

東京都は12日、子育て関連施策として23年度当初予算案に総額1・6兆円(前年度から約2000億円増額)を盛り込むことを発表した。小池氏は「ずっと議論ばかりしているだけでは間に合わない。私は知事になって、待機児童を死語にすると言って、まもなく達成されつつある。国より(早く)というのではなく、国が遅いと。そのひとことです」と、国の対応に繰り返し不満を示し「国に先駆けてというか、国をけん引するような形で1・6兆円を投じることを決めた」と、強調した。

岸田首相が、国の取り組みを「異次元の少子化対策」とネーミングしたことにちなんで、今回の都の施策に名前をつけるとしたら、と問われると「少子化は、1つの政策だけでは対応できない。すでに東京都ではさまざまなものを打ち出しているが、ニーズは人によって違ってくる」とした上で「ひとことでいうなら『東京都の少子化対策』。意思がしっかり伝わるようにするのが、数字に表れる我々の意思。それを皆さんで共有していきたい」と述べ、ネーミングよりも中身と言わんばかりの様子で答えた。【中山知子】