将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が初参加する第81期順位戦A級8回戦、永瀬拓矢王座(30)戦が1日、名古屋将棋対局場で始まった。

ここまでのリーグ成績は藤井が6勝1敗と単独首位に立っている。永瀬は4勝3敗。5勝2敗は、斎藤慎太郎八段(29)、広瀬章人八段(36)、菅井竜也八段(30)。藤井が本局を勝てば最年少名人への挑戦権獲得へ、あと1勝となる。

先後は事前に決まっており、先手の永瀬は2六歩と飛車先と突くと、藤井は飛車先を突き返した。戦型は角換わりに決まった。

過去の両者の対戦成績は藤井の11勝4敗。2人は藤井が四段時代からVS(ブイエス=1対1の練習対局)を行う研究パートナー。お互いの手の内は知り尽くしているだけに、激戦が予想される。

永瀬は後輩棋士を研究会で鍛える姿が、新兵を鍛える鬼軍曹の姿とダブって見えたことから「軍曹」の異名を持つ。

順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。 今期、藤井が挑戦権を獲得し、4~6月に開催予定の名人戦で渡辺明名人から名人位を奪取すれば、谷川浩司17世名人が83年6月に達成した21歳2カ月の史上最年少名人獲得記録を更新する。

持ち時間は各6時間。1日夜には決着の見込み。