高市早苗経済安全保障相が13日の参院予算委員会で、自身に関する記載が登場する放送法の「政治的公平」に関する総務省の行政文書について言及する中で“脱線”答弁を繰り出した。

文書に「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?」などと自身が発言したとされる部分があることを念頭に、テレビ朝日系の朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の司会を務める羽鳥慎一アナのファンであることを明かしながら、文書の内容を否定した。

高市氏はこの日も「書かれてあることは不正確であることはあらためて申し上げる」と述べ、「政治的公平についてのレク、礒崎(陽輔元首相補佐官)氏の伝言について話をした部分」についてあらためて否定し「言うはずがないことがたくさん書かれている」とも、不快感を示した。

答弁が長くなり、質問した立憲民主党の福山哲郎氏が抗議すると「いえ、正確性について話をさせてください」と応じず、答弁を続けた。そして「私は恥ずかしながら、報道番組、ニュース番組は朝食、夕食の時間帯に見ているが(番組の)見比べはしていない」「しかもテレビ朝日をディするはずもございません。恥ずかしながら、羽鳥アナウンサーの大ファンで、朝は8時から8時5分までの間は、羽鳥さんの顔をひと目見て出かけるくらいでございます」と訴えた。

高市氏は、羽鳥氏の番組のファンであることを公言することで、文書に書かれた内容を否定したかったようだが、当時に関する持論の主張があまりにも続いたため、委員長から再三にわたり「答弁は簡潔に」と注意された。

しかし「これまで委員会が長くならないよう、言いたいことがあっても我慢してまいりました。だからここは言わせてください」と突っぱねて、答弁を続けた。

高市氏の答弁の前、高市氏が存在を否定している2015年2月の担当局長によるレクについて、総務省幹部が「あった可能性が高い」と答えている。

福山氏が「捏造(ねつぞう)ではないじゃないですか」と指摘すると、高市氏は「この紙に書いてあることは自信を持って否定する」「この時期に、放送法の解釈や政治的公平について私が話した事実は一切ないことを、自信をもって申し上げます」と、これまでの主張を繰り返した。

福山氏は「大臣の自信なんて聞いていない。自分の言葉で言うだけで何の証明もない」と指摘した。