侍ジャパンの14年ぶりのWBC王座奪還を記念して、埼玉・東松山市の箭弓(やきゅう)稲荷(いなり)神社で25日、優勝を祝う御朱印と絵馬の特別版が新たに登場した。

御朱印は「2023 祝優勝 第5回大会日本代表チーム」と優勝したことを示す「金色の印」が押され、この日午後から販売された。同時に提供された絵馬はホームベース形の板に「2023優勝記念 日本代表チーム」との文字が刻印され、中央に大きく「勝」と記されている。

箭弓稲荷神社は712年(和銅5)建立。当初は「野久稲荷神社」と称していたが、1030年(長元3)に甲斐守だった源頼信が下総討伐でこの地を訪れた際に空に白い矢の雲が浮かび上がったことを吉兆として「箭弓」と改名させたとの由来がある。読みが「やきゅう」と読めることから野村克也さんらプロから少年野球まで野球の必勝祈願のパワースポットとしても人気を博している。

特にWBCでは、不動の1番打者ラーズ・ヌートバー外野手(25)の母久美子さんの生まれ故郷が東松山市で、久美子さんが高校時代に地元松山女子高ソフトボール部。同期生一同でヌートバーが「けがなく活躍できるように」と箭弓稲荷神社のホームベース形絵馬に必勝祈願してWBC直前に奉納していた縁もあった。

箭弓稲荷神社にもWBC期間前から侍ジャパンの必勝祈願で訪れるファンが後を絶たなかったが、特に激闘を制した準決勝メキシコ戦の終了した21日午後から「WBCに関連した御守りはあるか」「侍ジャパンの何かがほしい」との問い合わせの電話が鳴りっぱなしになったという。権禰宜(ごんねぎ)の前原一也さん(35)は「私も試合をテレビでみて感動しました。スゴかった。ファンのみなさんの気持ちに背中を押されて優勝が決まった23日から御朱印と絵馬をつくることを決めました」と話した。

ともに数量限定で、なくなり次第販売は終わりとなる。御朱印は300円、絵馬が700円。社務所の受付時間は午前9時~午後5時。【寺沢卓】