北海道・函館市長選挙が23日、投開票され、初めて立候補した俳優大泉洋の兄で元市保健福祉部部長の大泉潤氏(57)が、4選を狙った現職工藤寿樹氏(73)をおさえ、初当選を果たした。

事務所前の広場に紺色のスーツに赤色のネクタイ姿で登場。集まった支援者らと万歳三唱を行った。「みなさん、心から感謝を申し上げます。おかげさまで勝利にたどり着くことができました」と頭を下げた。

工藤氏の下で秘書課長などを務めた大泉氏。現職と元部下の師弟対決の一騎打ちを制した。立候補へ向け昨年7月に市を退職してから約9カ月。選挙期間に入ってからは精力的に街を駆け回った。有権者1人1人と握手を交わし、多くの人に囲まれながら自身の訴えを続けてきた。

弟の大泉洋にも支えられた。選挙期間中は、携帯メッセージで何度もやりとりした。「『とにかく体を大事にして頑張ってくれ』という話だったはずです」と報道陣を前に内容を明かした。「彼がいなければこの勝利はなかったわけであります。本当にありがとうと伝えたいですね。本当に弟には感謝しています」と話した。

新たな函館市長の誕生に市民からは大きな期待が寄せられている。「誰ひとり置き去りにしない。すべての人の権利が守られて、すべての人が温かく、そして私が寄り添う行政ができるように、全力を尽くしていきたいと思います」。全力で職務を全うし、新風を吹かせる。【山崎純一】