超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」は15日、国会内で役員会を開き、自民党がまとめたLGBTなど性的少数者に対する理解増進法案の修正案について各党の代表者が議論し、賛成、反対の両論が相次いだ。

議連の岩屋毅会長(自民)は、会合後の取材に「賛成、反対が相半ばした。法案の意味や内容が変わらないなら成立させるべきという声や、2年前の(超党派でまとめた)法案からは後退したと受け止められるとの声もあった」と述べた。 自民党の修正案では、超党派でまとめた法案にあった「差別は許されない」の表現は「不当な差別はあってはならない」に、また「性自認」の文言は「性同一性」に変更されることになった。保守派への配慮が理由で、立憲民主党など野党では、与野党で合意した法案の内容が、自民党の都合で修正されたことに批判的な声が根強い。この日も「中身については厳しい意見もあった」(岩屋氏)。一方で、2年前にまとまった法案が国会に提出されず、たなざらしにされてきた経緯を念頭に「今回は頓挫せず、法案を成立させなくてはならない」の声も出たという。

岩屋氏は「議連としてはG7広島サミット前の成立が望ましいという思いがあった。不可能ではないが、日程的には厳しい」とした上で、今の通常国会での成立を目指す考えを示した。

自民党側は党内、与党内の手続きを速やかに終えて、国会提出を目指す構え。ただ当事者の支援団体などからも、自民党の修正案は本来の法案の理念から後退していると反発の声が出ており、16日には抗議集会も予定されている。【中山知子】