機密文書をホワイトハウスから持ち出してフロリダ州の私邸に保管していた問題を巡って37の罪で起訴されたドナルド・トランプ前大統領が、13日にマイアミの裁判所に出廷して無罪を主張した直後に訪れたキューバ料理レストランで、集まった支持者らに「全部オレのおごりだ」と上機嫌に語っていたものの、実際には誰もおごってもらえなかったと地元メディアが報じた。地元で有名な歴史あるレストラン「ベルサイユ」を訪れたトランプ氏は、翌日が77歳の誕生日であることから集まった支持者から「ハッピー・バースデー」を歌って祝われ、「みんなで食事をしよう」と呼びかけていた。

この声を聞いた支持者たちは「トランプ氏が注文した料理の代金を支払ってくれる」と喜んだものの、実際にトランプ氏が店に滞在したのは10分で、その間に多くの報道陣や観衆が店に入ったり出たりせわしなく動き回っており、結果的に誰も料理を注文することができないままトランプ氏は店を去ったとマイアミ・ニュー・タイムズ紙が報じた。ネットでは「おごると言いながら、1セントも払わず店を出た」「約束を果たされず、支持者は手ぶらで帰った」「以前にも同じようなことがあった」と大きな話題になっている。

店側もトランプ氏の陣営もこの件に関してコメントをしていないが、ニューヨーク・タイムズ紙はトランプ氏はベルサイユで食事をするより好物のマクドナルドでハンバーガーを購入してニュージャージー州に向かうプライベートジェット機内で食べることを望んだと伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)