岸田文雄首相は21日、通常国会閉会を受けて首相官邸で会見し、マイナンバーカードをめぐるトラブル問題や、永田町を振り回した衆院解散見送りで低下した支持率や求心力回復に、意欲をにじませた。

首相は、総理総裁に上り詰めた自身の持ち味としてきた「聞く力」を念頭に「この夏は、政治家岸田文雄の原点に立ち返り、できる限り全国を回って国民の皆さまの声を伺うことに注力したい」と、原点回帰と国民との対話に意欲を表明。2021年9月の自民党総裁選でも訴えた「信なくば立たず」のフレーズを持ち出し「その言葉を胸に、下半期の政権運営にも全力で当たっていきたい」と述べた。

質疑応答で「(このタイミングで)原点に戻るというのは、国民の声を聞けていないからなのか」と指摘されると「政権をスタートさせた段階から(国民の声を聴くことを)重視してきた。国民の声を聴きながら、最後は決断をしないといけない。その繰り返しだった。国民の声を聴くことの大切さと、決断の難しさを次々感じる月日だった」と強調。「ただ、あらためて原点である国民の声を聴く大切さを今1度かみしめ、声を聞きながら先送りできない課題に結果を出していく取り組みを続けたいということを、あらためて申し上げた」と訴えた。