日本大(日大)アメリカンフットボール部の寮で覚醒剤と大麻を所持したとして3年生部員1人が逮捕された事件で、別の複数部員も大麻を所持していた疑いがあるとして、警視庁は22日、大麻取締法違反容疑などで東京都中野区の寮を再び家宅捜索した。

日大が同日、公式ホームページで「アメリカンフットボール部学生寮が警察による2度目の家宅捜索を受けました。現在、詳細については大学として確認中です」と認めた。

3日の家宅捜索で錠剤と植物細片が見つかったとして、北畠成文容疑者(21)が覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の疑いで5日に逮捕されていた。

関係者によると、警視庁は供述を元に、新たに別の部員4人の関与を疑っているという。19日後に行った2度目の捜索では、その居室を中心に、寮外も含めた関係各所をピンポイントで調べたとみられる。時期や人数は不明だが、北畠容疑者と同部屋だったとの情報もある。

日大は、北畠容疑者の5日の逮捕直後、アメフト部を無期限活動停止としたが「部員1人の個人犯罪」と断定。「連帯責任を負わせることは多くの学生の努力を無に帰することになる」などとして、まだ全容解明の前に独時で、わずか5日後の10日に解除していた。現在は再び、数日前から活動を休止しているという。

関東学生連盟からも「逮捕された部員以外の部関係者全員が違法薬物に潔白であると保証できない」など4つの理由で「当面の間の出場資格の停止」を科されており、既に今季リーグ戦(9月開幕)の第2節までが中止になっている。

それだけでなく、今後は廃部や解散の可能性も取り沙汰されそうだ。8日の本部会見で、競技スポーツ担当の沢田康広副学長がアメフト部の存続について問われ「仮定の話で分からないが、もし(逮捕者が)複数ということであれば(存続可否を)考えなければならない」という認識も示していた。

今回の再捜索で新たな逮捕者が出れば、存続に関わる議論への発展は必至。大学本部も「容疑が明らかになった場合には、本学として厳正に対処する所存です」と声明で約束している。