将棋で史上初の8大タイトル独占を果たした藤井聡太竜王(21=名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)が3連覇を目指して同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第36期竜王戦7番勝負第2局が17、18の両日、京都市の世界遺産「総本山仁和寺」で行われ、先手の藤井が伊藤を破り、開幕2連勝とした。 本紙「ひふみんアイ」でおなじみ、加藤一二三・九段(83)が対局を振り返ります。
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藤井竜王の緩急自在の指し回しと、試合運びのうまさが光りました。根幹となったのは終盤、4筋の腹金を伊藤玉に打ち込んだ決断の強手と、「玉の早逃げ、8手の得」とばかりに7筋に玉が上がった2手です。付け入る隙を与えませんでした。
伊藤七段は封じ手再開直後、3筋に歩を埋めましたが、3筋の銀を上げ、次に3筋の敵陣に角を打ち込み、この2枚を軸にして攻め合えば有望でした。藤井竜王に負ける相手の典型的な例として、一度引いて次のチャンスをうかがう指し回しをすると、次のチャンスが巡ってきません。
とはいえ、大差負けだった第1局に比べて、今局は大健闘。差は詰めています。課題は時間配分でしょう。まだ、ひとヤマもふたヤマもありそうな終盤で時間がなくなるのは厳しいです。私も相手より先に残り時間がなくなって戦っていた棋士ですが、やはり慌てました。「考えすぎも、考えもの」。藤井竜王と戦うには残した方が賢明です。(加藤一二三・九段)

