れいわ新選組代表の山本太郎参院議員は5日の参院予算委員会で、自民党の裏金問題をめぐり自ら衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席を発表した岸田文雄首相が、能登半島地震への対応を議論するため、衆参両院の災害対策特別委員会には自発的な出席表明をしていないと批判した。

山本氏は「(首相は)政倫審は自分を出してくれと言ったのに、災害特には『自分が出たい』とは言わないんですね」と指摘。地震発生後、首相出席の災害対策特別委員会が開かれていないとして、首相の見解をただした。

首相は「私自身は予算委員会で、予算全体についての議論にしっかり答弁させていただく。その中で、災害対策も答弁させていただくことで、説明責任を果たして行くべきと考えている」と反論。山本氏は「呼ばれてもいないのに政倫審にはしゃしゃり出る。災害特にはだんまりというのは、腰が引けてません? ご自身で出ると言ってほしい。被災地、被災者にあまりご関心がないのか」と指摘したが、首相は「(政倫審も地震対応も)ともに重要な議論だ」として、災害対策特別委員会の開会や自身の出席が必要と判断されれば「運営にしっかり協力したい」と述べた。

山本氏は、岸田政権の地震対応は不十分と再三指摘しており、この日も「被災者を切り捨てる程度では、政権は吹っ飛ばないという危機感ですよね。でも政倫審は(開催しないと)政権が吹っ飛ぶ可能性がある。被災地に関してはその心配がないと。そんな薄情なことを言っているのではないか」ともただした。

一方、山本氏は能登半島地震対応をめぐり、被災した住民への食事について自衛隊による炊き出しで確保すべきと迫ったが、首相は「自衛隊だけではなく、自治体と協力しながら対応している。ご指摘の点を踏まえながら引き続き、最大限の努力を続ける」と述べるにとどまった。首相は、次の被災地入りの予定を再三問われると「今、具体的な日程は決まっていないが、現地と意思疎通をはかり、現状を把握した上で必要なタイミングでさらなる現地入りも考える」と応じた。