共産党の田村智子委員長は19日、東京都内の日本記者クラブで会見し、自民党の派閥政治資金パーティー裏金事件を受けて「私の責務は、必ず自民党を終わらせ、希望の政治に移らせることだ」と述べ「田村智子の自民党政治打破宣言」をぶちあげた。

今年1月の共産党大会で、党史上初の女性委員長に選ばれた田村氏は「自民党への怒りや、自民党政治への行き詰まりがこれほど現れている時、私の責務は必ず自民党政治を終わらせること」とした上で、以前の疑獄事件と今回の裏金事件の違いに言及。「かつての金権腐敗の汚職事件は、大物政治家と特定の大企業のもの。汚職議員が断罪され、別の政治家が出てくることで、自民党はそれなりに危機を乗り越えていた」とした上で「今回は全く違い、自民党の組織的犯罪そのものだ」と、批判。裏金問題を最初にスクープしたのが共産党の機関誌「しんぶん赤旗」日曜版だったことに触れ「裏金を明るみした党として、もっと怒りの声を広げる」とも訴えた。

自民党の裏金問題を契機とした党勢拡大に意欲を示す一方で、質疑応答では「自民党への支持が完全崩壊する中、野党の支持も上がらず政治そのものが沈没しているような状態」と、共産党への支持が広がっていないことへの受け止めを問われる場面もあった。

田村氏は「政策も党の姿も伝えることが、まだまだ圧倒的に足りていない」と認めた上で「若い人は、テレビも新聞も見ない時代。SNSを含めた活動を、私も先頭に立って努力していかないとならない」と課題を口にした。

その上で「政治は変えられる、あなたが主権者ということの意味を伝えたい。政治は、政治家という人たちが集団で何かをやっているのではなく、あなたが政治に参加することが政治を変える道だというメッセージを伝えていきたい。今は自民党に(国民も)怒っている。いっしょに変えようと、もっと粘って働きかけていきたい」とも訴えた。