カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で収賄などの罪に問われた元衆院議員の秋元司被告(52)が20日、東京都江東区内で会見し、昨春の区長選をめぐる公選法違反事件の罪に問われた元衆院議員の柿沢未途被告(自民党離党)の辞職に伴う衆院東京15区補選(4月16日告示、28日投開票)に、立候補すると表明した。

秋元・元議員は2019年12月、東京地検特捜部に逮捕されその後起訴された。2021年9月、東京地裁に懲役4年、追徴金約758万円の実刑判決を受け、控訴。22日に控訴審判決が控えている。

秋元・元議員は「無罪を信じている」とした上で「刑が確定するまで被選挙権はある。(控訴審判決の)結果にかかわらず出馬の意向は変わらない」と述べ、無罪判決が出た場合は自民党に公認申請を目指す構えを示した。秋元・元議員は自民党を離党している。

「もともと、私が事件に巻き込まれたことが(江東区の政治の混乱の)スタート。多くの国民に迷惑をかけたことは大変申し訳ないが、一連の事件に私は関与していない」と主張し「私が(混乱の)スタートという中で(柿沢元議員の辞職で)補選が来月行われる。(江東区を)しっかり正常化していかないといけない」と述べた。

「道のりは大変で、失われた信頼を取り戻すにはこれまで以上に思いを伝えなければならず、覚悟をもって臨んでいかなければならない」と述べ「盤石な組織選挙ができるわけではない。支援者の方といっしょに戦っていくことになる」とも口にした。

自民党は今回、独自候補の擁立を見送る方針とみられる。秋元・元議員も「すべて党と話をしたわけではないが、自民党として候補を出すというのはないと思っている」とした上で「仮に無所属でも出る、というのはおかしくない。この時点で(告示まで)1カ月を切っており、決断するなら決断しないと準備ができない。出馬の環境が許す限り、チャレンジしていく」と述べた。自民党に対しては「先にボールを投げた。相手がどういう判断をするか待ちたい」とも口にした。

自民党では二階派所属だったが、問題になっている裏金事件への関与や政治資金収支報告書への不記載は、いずれも否定した。

衆院東京15区補選にはこれまで、日本維新の会が金澤結衣氏(33)、共産党が小堤東氏(34)、参政党が吉川里奈氏(36)、日本保守党が飯山陽(あかり)氏(48)の擁立を発表している。立憲民主党も候補者擁立を調整しているほか、小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会も候補を擁立する見通しで、自民党などが「相乗り」するとみられている。