「アイの物語」などで知られるSF作家、ゲームデザイナーの山本弘(やまもと・ひろし)さんが先月29日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなった。

4日、本人のX(旧ツイッター)や東京創元社の公式サイトなどで発表された。68歳。葬儀は近親者で執り行われた。

公式Xには「娘」名義の文面がアップされ、18年に脳梗塞を発症後、闘病生活の末に「穏やかに旅立ちました」と伝えられた。

1956年、京都府生まれ。京都市立洛陽工業高等学校卒業。78年、「スタンピード!」で第1回奇想天外SF新人賞佳作を受賞。88年『ラプラスの魔』で本格的に小説家デビューした。「アイの物語」は第28回吉川英治文学新人賞候補、第27回日本SF大賞候補となった。2011年に「去年はいい年になるだろう」で第42回星雲賞(日本長編部門)、16年に「多々良島ふたたび」で第47回星雲賞(日本短編部門)を受賞した。

87年にゲームクリエーター集団「グループSNE」立ち上げに加わり、テーブルトークRPG「ソード・ワールド」シリーズなどを手がけた。同グループも公式サイトで「グループSNEの創立メンバーの一人であり、独立後も作家として活躍された先生の訃報に、一同大きな悲しみに包まれております。グループSNE所属時には、『ソード・ワールド』ノベル、『ラプラスの魔』小説、『妖魔夜行』など、数多くの作品を世に生み出し、多くのファンに愛されてきました。弊社刊行の『GMウォーロック』14号では、先生の追悼小特集を予定しております。謹んで、先生のご冥福をお祈り申し上げます」と追悼した。