立憲民主党は23日、都内で臨時党大会を開き、代表選の投開票を行い、野田佳彦元首相(67)を新代表に選出した。
民主党政権時代の電撃解散総選挙で惨敗し、政権を失ってから12年。多くの仲間が議席を失い、「戦犯」と言われ続けた。この日も、代表選出馬に「戸惑いがあった」と打ち明けつつ「政権を取るための戦いにしないといけない」と述べ、自身の判断を機に1度失った政権を、再び取り戻す執念を口にした。総理経験者としての安定感や「ドスンパンチ」と呼ばれる野太い声を駆使した論戦力の持ち主に、支持拡大が進まない党の再生が託された。
1回目の投票で決着がつかず、枝野幸男元代表(60)との決選投票の結果、232ポイントの野田氏が180ポイントの枝野氏を下した。「私は本気で政権を取りに行く。戦いは今日から始まっている。結果が出たらノーサイド。力と心を合わせて打倒自民党に向かいたい」と、挙党態勢に協力を求めた。
自民党総裁選後の10月1日に臨時国会が召集され、新総裁の判断第では超早期解散の可能性もある。野田氏は24日に新たな人事を決定する考えを示し「私にない刷新感をどうつくるか。1つの重要な観点」と述べた。一方、民主党時代に決別しながら政権交代への執念の1点で一致し、今回恩讐(おんしゅう)を越えて連携したベテラン小沢一郎衆院議員(82)を、選挙対策の責任者にすえるとの見方が強まっている。泉執行部で進展しなかった他の野党との連携や選挙調整が急務で「現実的な布陣」(関係者)となる見通しだ。
野田氏の代表就任は、新総裁選出間近の自民党にも影響を与え始めている。プロレスなど格闘技を愛し、「ドスンパンチ」で時に相手を圧倒する「武闘派」が相手となり、自民党総裁にもそれなりの覚悟が求められる。ある自民党関係者は「あの論戦力、腹も据わった野田氏さんと渡り合えないような総裁では、かなり厳しい」と漏らした。
野田氏は、政府自民党の対応にもさっそく注文をつけた。元日の地震に続き、記録的豪雨被害に見舞われている能登半島への早期支援を強く要請。「総裁選候補が見ておられたら、訴えたい。予備費をあて続けるのではなく、早期に補正予算を組み、復興に当たるべきだ」と指摘した。その上で「早い段階での解散は受けて立とうと思うが、その前に被災地の復旧復興のための予算をつくるくらい、最低限の責任を果たしてから信を問うべきではないか」。
小泉進次郎元環境相(43)らの早期解散論を念頭に、強くけん制した形で、自民党の都合による早期解散より、被災地に向けた対応を優先するよう強く求めた。【中山知子】

