米人気司会者ジミー・キンメル(57)が、米保守系活動家チャーリー・カークさんの射殺事件に関する発言を巡って深夜の人気トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」の放送が無期限で停止された件を巡り、謝罪を拒否していたことが分かった。

米ディズニー傘下のABCが、米連邦通信委員会(FCC)と系列局のオーナーから番組の放送を停止するよう圧力を受けた後、事態の鎮静化を図るためにキンメルに謝罪を要求したが、「自身の発言が誤解されている」として応じなかったと米メディアが伝えている。

キンメルはこの件に関してコメントは発表していないが、ニューヨーク・ポスト紙は自ら運転する車でロサンゼルスの弁護士事務所を訪れるキンメルの姿を報じ、「にやりと笑った」と伝えている。また、英OK!誌は、「政府が企業に圧力をかけ、気に入らないコンテンツをすべて止めさせられるなら、アメリカに言論の自由など存在しない」と激怒していると伝えている。

キンメルは16日の放送の冒頭モノローグで、「MAGA(マガ=米国を再び偉大に)の連中がチャーリー・カークを殺害した若者を自分たちの仲間ではないと決めつけようと躍起になり、政治的な利益を得るためにあらゆる手段を講じ、米国は最悪の状況に陥った」と発言して物議を醸していた。

米ピープル誌は、全米最大大手の地上放送局所有グループ、シンクレアが、キンメルに対して番組復帰の条件としてカークさんの遺族への謝罪だけでなく、遺族とカークさんが設立した非営利団体ターニング・ポイントUSAへの「意義ある個人的寄付」までも要求していると伝えている。シンクレアは、放送を停止した「ジミー・キンメル・ライブ!」に代わり、カークさんを追悼する特別番組を放送すると発表している。キンメルが、要求に応じて復帰を目指すのかどうかは分かっておらず、ABCとの契約解除を検討しているとも伝えられている。

一方、「もっと早く辞めさせるべきだった。視聴率が悪く、才能がなかったため解雇された」「アメリカにとって素晴らしい日」などと述べてABCの決断を評価していたトランプ米大統領は、米国への帰路の途中に大統領専用機エアフォースワンで記者団に対して「メディアは私に対する悪いニュースしか報道しない」と不満を述べ、自身の政権に批判的な内容を放送するテレビ局の放送免許を剥奪すべきだとの考えを示した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)