立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表は16日、国会内で会見し、高市早苗首相による急転直下の衆院解散方針を受けて、両党で結成することで合意した新党の名称を「中道改革連合」(略称・中道)とすることを発表した。
野田氏は「中道」に込めた思いを、「右にも左にも傾かず、対立点はあるかもしれないが、熟議を通して解を見いだすという基本的な姿勢。イデオロギーではなく人間中心で、人間の尊厳を重視した理念のもとに賛同する人が集まった」と強調。「『改革』は、生活者ファーストの視点で現実的な政策を打ち出す。『連合』は、幅広くオープンに来てほしい」と述べ、斉藤氏も「生活者ファーストで日本の平和を守る。中道という言葉には、大変感慨深い」と、ともに「生活者ファースト」というフレーズを用いて、理念に込めた思いを説明した。
支持者には慣れ親しんだ立憲、公明の名前を入れなかった理由を、野田氏は「お互い名前にはこだわりもあるが、それを乗り越えて中道の旗のもとに集まる人の新党。両方の名前にはこだわらず、理念、政策でつけた」と述べ、斉藤氏は「公明党という名前に誇りを持っており残念という声を聴いているが、理念と政策こそ大切だ」と訴えた。
野田氏は、19日にも発表する綱領や基本政策の中に、「消費税減税」を入れることに意欲を示し、「赤字国債を発行しない形での財源を提示していく。何らかの政策の柱に、消費税が出てくることは間違いない」と明言した。立民は昨年の参院選公約で食料品の消費税率を2026年4月から原則1年間ゼロにするとし、公明は当初原案の中に、食料品の消費税率を現在の8%から5%への恒久的な引き下げを目指すと盛り込んでいる。
一方、今回、高市首相が電撃奇襲的に踏み切る衆院解散方針を、野田氏は「参院選を含め、国政選挙は3年連族。1回にだいたい、600億から700億円かかる。それだけ血税を使って、やる意味があるのか、大義があるのか厳しく問われないといけない」と批判。「維新との連立についての是非を問うというが、それならなぜ早く国会を開かなかったのか。中途半端な時期の解散で、なぜ春ではいけないのか。どちらにしろ受けて立つが、大雪で掲示板が見えなくなる地域もあるし、18歳は受験生ですよ」と、解散の正当性を疑問視し、「党幹部とも相談したふしもない。党に相談したなら党利党略だが、それもないなら(首相の)個利個略だ」と批判し、斉藤氏も「私たちの生活をないがしろにした解散だ」と、強い疑問を呈した。
立民では、原口一博衆院議員が新党移行への手続きに反発し、「そんな党に誰が入るか」と、不参加をにじませるなど、反発の声も少なくないが、野田氏は「粘り強く声をかけ続けたい。中道が元気になり存在感を示せば、穏健な保守との連携につながるし、よりリベラルな人の連携も可能になる。今回は、政界再編のある意味、第1歩を踏み出す戦いになる」と強調。「多くの仲間たちに入ってもらえるようにしたい」と述べた。現時点での参加状況は「把握していない」と述べたが、公明党に関しては、引退する議員以外、衆院議員全員が新党に参加する意向という。
今回の新党に対し、自民党では、公明党票が離れることの影響への不安の声がある一方、「基本政策が後回しの選挙互助会のように思えてならない」(鈴木俊一幹事長)と突き放した声もある。新たな党名の早期浸透の必要性もあり、綱領や基本政策に先がけてこの日先行発表する形が取られた。「中道」にとっては、高市首相の早期解散戦略に臨むことに加え、有権者への浸透という課題も乗り越えて、仕掛けられた奇襲電撃選挙を戦わなくてはならない。【中山知子】

