社民党は29日、東京都内で定期党大会を開いた。来賓あいさつの中で、福島瑞穂党首が選出されたさきの記者会見で、決選投票で敗れた大椿裕子氏に発言をさせなかった対応や、沖縄県名護市の辺野古沖で修学旅行中の高校生ら2人が死亡した船の転覆事故をめぐる党幹部の発言に、異例の苦言が呈される場面があった。
来賓の1人で出席した全労協の渡辺洋議長は、あいさつの中で、4月6日に行われた党首選の結果発表の会見に触れ「落選者に発言させない御党の対応が集まった記者から追及され、混乱したと承知している。SNSや新聞でも取り上げられたが、拡散された中身は、私から見てネガティブな中身ばかりでした」と指摘。「せっかくマスコミに取り上げられたのに、混乱への言い訳に終始したという印象しか残っていない」と述べると、会場内から「そうだ!」の声が上がった。
さらに、「もう一つ、辺野古のボート転覆事故についてです」とした上で、船の転覆事故をめぐり、同党の服部良一幹事長が、3月の集会で、現在も工事が進む米軍普天間飛行場の辺野古移設に触れ「そもそも、辺野古の新基地建設をいつまでも続けるのが悪い」「こんなことをしなかったら、こういう事故も起こり得なかった」などと発言したことを念頭に、「犠牲者への哀悼の意は述べられていたものの、事故は基地の存在がまねいた、と言わんばかりのものだった。確かに基地の存在は危険だったかもしれないが、であるならば、その危険な場所にこどもを連れて行った大人たちの判断の甘さこそ、問われなければならないのではないでしょうか」と訴え、これにも賛同の声が上がった。
その上で「これはどう見ても海難事故であり、事故の責任はひとえに、ボートの運営主体にあります。反基地運動は正義だと思うが、いかに正義であっても、その責任は軽減されてはならない。そうした自覚があまりにも希薄だったと思わざるを得ない」とも訴えた。
「社会民主主義を掲げる政党はこれからも必要であり、リベラル勢力を束ねる勢力は必要。でもその役割を、今の社員党に求めるべきなのか、求めることができるのか、そのことが今、問われていると思います」と、厳しい指摘も投げかけた。
渡辺氏は、野党勢力の分裂に至った2月の衆院選沖縄2区の候補者擁立問題にも触れ「自民党の圧勝が十分予測された中で、打倒高市の大局的な立場での対応ができなかったことが残念でならない」とも述べた。最後は「御党の奮闘、再起に期待を申し上げます」とエールを送った。
福島氏は、ずっと演壇の方を見ながらあいさつを聴いていた。

