「オーナーさんへの連絡は『申し訳ありません』の方が多いとは思うんですけど、今日は出だしから『ありがとうございました』と言えてよかったです」と左海誠二調教師(48)。中央から移籍2戦目のニシノサキュバス(牝3)が21日の船橋で調教師としての初勝利をもたらしてくれた。

師と西山茂行オーナーといえば、騎手としての中央初勝利をもたらしてくれた02年フローラSのニシノハナグルマ。「それが縁で入れてもらったんです。調教師に受かったというのが発表されたら連絡がきて、開業する時には教えてくれと言われて。この馬はすぐでしたね」。厩舎の開業に合わせてニシノサキュバスを転厩させてくれたという。移籍初戦は調教師としての2戦目。断然の1番人気に推されたが、首差2着の惜敗。「勝てるんじゃないかなと思っていたけどね。これが競馬。悲観する内容ではなかったので、勝てるなというのは分かった」。その次走で結果を出した。

こうなると調教師としての中央初勝利も…。「まだ始まったばかり。目の前のことしか考えられない。そこまで頭が回らないよ」と苦笑いだったが、いつかはこのタッグでの中央挑戦も見てみたい。【牛山基康】