エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

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クラブに関しては、それぞれの好き嫌いや相性もあるだろうが、特にこれから一口馬主を始める方は、どのクラブに入ればいいのか悩まれる方も多いと思うので、一般的な特徴と長短等につき、参考までに記載しておく。

まず、現在圧倒的な人気を誇っているのが、募集馬がノーザンファーム育成の「ノーザンファーム系」のクラブである。サンデーサラブレッドクラブ、シルク・ホースクラブ、キャロットクラブ(数頭は他牧場育成)の3大クラブがこれに当たる。先にも述べた育成のみならず馬質も群を抜いており、大レースを狙うなら1番確率が高い。【タイトル『正しい鍛錬と、レースへの仕上げ、速やかな入厩ができるか』5月11日(火)連載】ただそれだけに人気馬は軒並み高倍率になっている。また所属馬が多いため、レースを使った後に放牧に出される傾向にある。

募集馬が主に日高近辺の牧場や浦河のBTCというトレーニングセンターで育成される「日高系」のクラブもあり、ウインレーシングクラブ、ロードサラブレッドオーナーズ、ノルマンディオーナーズクラブ、ターファイトクラブなどがこれに当たる。日高系クラブは自分の欲しい馬が取りやすいし、悪い所がない限りどんどん使ってくれる。愛馬がレースに出走する姿をなるべくたくさん見て応援したいという方には、こちらのクラブがおすすめである。

他には、東京サラブレッドクラブやサラブレッドクラブライオン、G1サラブレッドクラブといった「ノーザンファーム系」「日高系」混合のクラブもある。

また代金は、一般的にノーザンファーム系は高めで、日高系は安めである。

私はいろいろなクラブの実情を知りたいという思いもあり、欲しい馬に出資しているうちに10以上のクラブに入ってしまったが、さすがに入り過ぎかもしれないと考えることも。ノーザンファーム系と日高系は一長一短があるので、できればその双方を含めた2つか3つのクラブに入り、その違いを自分の肌で感じつつ、自分に一番合ったクラブを選んで行くことをお勧めする。