フェブラリーSの勝利はフロックではなかった。コパノリッキー(牡4、村山)が地力の違いを見せてG1連勝を飾った。

出負け気味のスタートで他のJRA勢4頭を追う展開だったが、鞍上に焦りはなかった。3、4角で大外をまくって直線入り口で横一線の態勢に持ち込むと、そこから豪快に突き放した。勝ちタイムは1分39秒2。田辺騎手は「今度は人気だったし、勝ててホッとしました。外々を回されたけどペースも遅かったし強気に動きました」。抽選で滑り込んだ前走は16頭立て16番人気だったが、今回は人気を背負った馬らしく堂々と力でねじ伏せた。

この日は小林祥晃オーナーの67歳の誕生日。「5月5日で5枠5番。競馬場の座席番号も55番だった。いい流れだったね。こんなうれしいプレゼントをもらえたし、人生で最高の誕生日。去年も祝勝会の会場を押さえていたけどリチャードがNHKマイルCで8着に飛んじゃった。今年は無駄にならなかったよ」と満足そう。上半期の目標は6月25日の帝王賞(統一G1、ダート2000メートル=大井)だが、4歳馬で本賞金が半分になると出走が微妙なため、さきたま杯(統一G2、ダート1400メートル、5月28日=浦和)を挟むプランもある。「G1連勝して出られないのもおかしいよね」。ちょっぴり不満をもらしながらも、Dr.コパは終始笑顔だった。【高木一成】

(2014年5月6日付 日刊スポーツ紙面より)※表記は当時