今週のメインは「競馬の祭典」ダービー(G1、芝2400メートル、29日=東京)。

皐月賞2着のイクイノックスが、躍動感あふれる動きで好調ぶりを示した。午前4時半の開門直後、雨上がりの薄暗い美浦坂路に姿を見せた。皐月賞馬ジオグリフの次にスタート。ミアマンテ(古馬2勝クラス)の外を先行し、リズムよくチップを蹴り上げた。ゴール前だけ鞍上から軽く促されたが、大半は馬なりで4ハロン54秒2-11秒9と好時計をマークした。

皐月賞でワンツーフィニッシュを決めた木村師は納得のコメントを残した。「リズムよく、走りの雰囲気はよかったです。ジオグリフと比べると、まだ体質的にはそこまでではない部分もあるのですが、こちらも前回と同じようなコンディションをキープできています」と状態面に不安の色は見えない。

前走は東京スポーツ杯2歳Sから中147日で参戦した。大外18番枠から積極的な競馬で直線は先に抜け出したが、ジオグリフに差された。この日の追い切り後は1冠目を譲った僚馬と並んで厩舎へ戻った。当初からの目標である大舞台での巻き返しに燃える心中は表に出さず、終始落ち着いた様子を保った。師は「水曜の追い切りはルメール騎手に乗ってもらう予定です」と万全を期す。【桑原幹久】