1番人気デザートクラウン(牡3、M・スタウト、父ナサニエル)が直線で抜け出し、デビューから3戦無敗で世代の頂点に立った。

鞍上はリチャード・キングスコートで、勝ちタイムは2分36秒38。今秋の凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月1日=パリロンシャン)へ向けた大手ブックメーカーの単勝前売りオッズは単勝3~4倍で堂々の1番人気に浮上している。

即位70周年の祝賀ムードの中、今年はエリザベス女王の臨席はなかったものの、晴天の下で新たなスターホースが誕生した。前哨戦のダンテSを制し、1番人気のデザートクラウンは道中で好位4、5番手の外を追走。直線は前を走る2番人気ストーンエイジを一気にかわして独走態勢に入り、勝負を決めた。

2馬身半差の2着は16番人気の伏兵フーヤマル。3着にはウエストオーバーが入り、エイダン・オブライエン厩舎で主戦のライアン・ムーアが騎乗したストーンエイジは6着だった。

デザートクラウンを管理するマイケル・スタウト調教師(76)は「サー」の称号を持つ名伯楽で、10年ワークフォース以来12年ぶりの英ダービー制覇。81年シャーガー、86年シャーラスタニ、03年クリスキン、04年ノースライトで制しており、英ダービー6勝目となった。

日本にも遠征した経験があり、96年シングスピール、97年ピルサドスキーでジャパンC連覇を果たしている。

デザートクラウンは昨年11月にノッティンガム競馬場のデビュー戦を5馬身半差で快勝。2戦目となった5月12日のダンテS(ヨーク)も2着に3馬身4分の1差で制し、今回がキャリア3戦目だった。

英ダービーの勝利を受け、大手ブックメーカーは凱旋門賞のオッズを修正。「パディーパワー」は単勝3・0倍、「コーラル」「ウィリアムヒル」は単勝4・0倍で1番人気の評価を与えている。

「ラドブロークス」社のオッズでは英ダービー馬デザートクラウンが単勝4・0倍で1番人気。前日の英オークスで2着だったエミリーアップジョンが7倍、昨年の凱旋門賞3着馬ハリケーンレーンが9倍で続く。

日本馬はシャフリヤールが15倍で7番人気、ドウデュース、タイトルホルダー、エフフォーリアが21倍、ステイフーリッシュが34倍、ディープボンド、パンサラッサが41倍に設定されている。